ギャルとメガブス

冷たい汗が、暑くもないのに額から流れ落ちた。

その感触は、たった一粒の汗なのに、まるで全身にドライアイスの冷気を吹きかけられたようで、身体中が一気に冷え渡った。


俊くんは、泣きそうな表情で微笑んだ。


「僕、死んじゃったのかなぁ?」


……死んじゃったのかな、って……。


何も答えられない私。

そんなの知るわけないわよ。

一体何なのよ。



俊くんが、私の方へ近付こうとした。

私は身を引いて、数歩後ろに後退った。


「来ないで!」


俊くんが、私の声にびくりと反応し、歩みを止めた。