ギャルとメガブス

車すら通らない。

誰もいない。

ただ、私と少年だけ。



踏み切りの反対側の端まで歩いて、私は少しだけ気が緩んだ。



まさかね。



何気なく振り返る。

直後、私は硬直した。


少年が、こちらを向いて立っていた。

じっと、私を見つめて。もう、わけが分からなかった。

私の視線は、少年に釘付けになったまま、逸らすことができなかった。

視線どころか、体中が金縛りに遭ったように動かなかった。


……何?

何なの?


何故、あの子はこっちを見ているのだろうか?