ギャルとメガブス

まさか……でも……。


私は喉の奥がカラカラになっていた。

高鳴る鼓動。

変な汗が、体中をべったりと覆っていた。


私は歩き出す。

踏み切りの向こう側から、少年も歩き出す。


近付く。


私はわざと見ない振りをした。

視線を下に向けて歩いた。


頭の中は、混乱の渦。

わけの分からない緊張感。



近付く……。


すれ違った。



私のヒールの音だけが、踏み切りに響いている。