ギャルとメガブス

私は声を出すこともできなかった。

恐怖と羞恥心ですぐに体中が汗びっしょりになった。顔が真っ赤になっているのが、自分でも良く分かった。


妄想に浸りながらうっとりとピアノを弾いていた自分を見られたという事実。

それは、私にとって、気絶してしまいそうなくらいショッキングな出来事だった。


実際に、頭がぐらんぐらんと揺れて視野が急に狭くなり、もう少し眩暈が酷かったら、恐らく本当に倒れてしまっていたことだろう。



穴があったら入りたい。


むしろこのまま、3階の音楽室の窓を開けて、そこからまっ逆さまに落ちて死んでしまいたい。



そんなことまで瞬時に頭を過ぎった。