ギャルとメガブス

笑われてなるものか。

馬鹿にされてなるものか。


私はみっともない人間じゃない。

私はメガブスじゃない。必死に壁に手をついて身体を支え、立ち上がる。

胃の中がムカムカして吐きそうだったけれど、深呼吸して自分自身を誤魔化した。




富士見が丘の駅は、一旦地下に潜り、それから階段を上って地上に出る構造になっている。

その時の私にとっては、地下から地上へ上る短い階段すら、非常に厳しいものだった。



地上に出てすぐにタクシーを拾おうとしたが、こんな時に限ってなかなかやって来ない。

イライラした私は、とりあえず車通りの多い人見街道まで歩いてタクシーを捕まえようと思った。