ギャルとメガブス

「痛っ……」


素足の膝が擦り剥けて、血が滲んでいる。


ああ、みっともない。

馬鹿みたい。


ため息をついて、散らばった鞄の中身を見つめた。

緩慢な動きで一つ一つに手を伸ばし、鞄の中にしまい直す。



本当は泣きそうだった。



けれど、私は泣かない。

鼻の奥がキンと痛んでも、目の奥が妙に熱くなっても、涙をぐっと堪える。



だって、泣いたらマスカラが落ちる。

アイライナーが滲む。

目の周りがパンダみたいになってしまう。



そして、皆に笑われるだろう。