ギャルとメガブス

だけど……。



もしかしたら、もう会えないかもしれない。



隠し事をしたり、嘘をついたり、そんなもやもやした気分のまま引っ越すのは嫌だ。

だって、俊くんは大切な友達だから。


私は黙ったまま、自分のランドセルを探った。

俊くんは何事かといった表情で、私を見守っている。


「これ」


私は五線譜を引っ張り出して、俊くんに見せた。


「うわ」


俊くんは五線譜を見て、少し驚いたように声を出した。


「どうしたの、これ」

「同じクラスの子に破かれた」


俊くんが私を見た。


「せっかく、俊くんが頑張って作った曲なのに、楽譜、こんなになっちゃって……それで、私……」