ギャルとメガブス

「どうして、そんなこと聞くの?」

「それは……」


母は言葉を濁らせた。

恐らく、近所に住む同級生の母親か、学校の先生からでも聞いたのだろうという予想はついた。

けれど、それを母に確認する気にもなれなかった。

だって、聞いたところで何になるというのだ。


「いつから?」


母は、何でもない話でもしているかのように、わざとすました表情で漬物を口に入れながら、私に尋ねた。

しかし、それでも母の顔の上には、悲しげな色が隠しきれずに浮かんでいた。

私を傷付けまいと懸命に努力している母の優しさが、逆に苦しく、そして申し訳なかった。



私がこんなだから……。


お母さん、ごめんなさい。