昇降口で靴を履き替えていたら、多目的室の方から、合唱部の発声練習の声が響いてきた。
私の学校は、多目的室が一階の左端、校門から一番近い場所にあり、そこにもグランドピアノが置いてあった。
多目的室は、小学校の合唱部と、そして休日には、地域の合唱団の練習場所になっていた。
利便性の悪い、学校裏手の第二校舎最奥にある音楽室の方は、授業以外ではほとんど使われていない。
合唱部の発声練習を先導するように、ピアノの音が響いている。
俊くんは、音楽室で私を待っているだろうか……。
胸がチクチク痛んだ。
私は足早に、その場を離れた。
翌日も、そのまた翌日も、私は音楽室へ行かなかった。
また、何の喜びもなく、ただひたすらクラスメイトの苛めに耐える毎日が戻って来た。
私は痛感していた。
俊くんの笑顔が、二人で奏でるピアノの音が、どれほど私の慰めになっていたかを。
一人がこんなに辛かったなんて、暫くの間忘れていた。
私は以前にも増して暗く卑屈な人間になっていた。
私の学校は、多目的室が一階の左端、校門から一番近い場所にあり、そこにもグランドピアノが置いてあった。
多目的室は、小学校の合唱部と、そして休日には、地域の合唱団の練習場所になっていた。
利便性の悪い、学校裏手の第二校舎最奥にある音楽室の方は、授業以外ではほとんど使われていない。
合唱部の発声練習を先導するように、ピアノの音が響いている。
俊くんは、音楽室で私を待っているだろうか……。
胸がチクチク痛んだ。
私は足早に、その場を離れた。
翌日も、そのまた翌日も、私は音楽室へ行かなかった。
また、何の喜びもなく、ただひたすらクラスメイトの苛めに耐える毎日が戻って来た。
私は痛感していた。
俊くんの笑顔が、二人で奏でるピアノの音が、どれほど私の慰めになっていたかを。
一人がこんなに辛かったなんて、暫くの間忘れていた。
私は以前にも増して暗く卑屈な人間になっていた。
