ギャルとメガブス

合コン後、私はベロベロに酔っ払って、覚束ない足取りで渋谷駅のホームに立っていた。

家まで送って行くよ、と今日の合コンメンバーの中では一番好みのタイプだった男の子に誘われたけれど、何となく、今日は断ってしまった。


ああ、ダルい……。


終電間際の井の頭線。


人込みに揉まれる私の息は、酷く酒臭いのだろう。

私のすぐ前に立つ清楚なOL風の女性が、私をちらりと見て顔を顰め、視線を逸らした。



酒臭くて何が悪い。

あんただって、酒ぐらい飲むでしょう?

そんで、酔った勢いで男にしなだれかかったりするんでしょう?


清楚ぶった服着て猫被って、男に媚売ったって、結局やることなんて一緒よ。

あんたが軽蔑している私みたいな女と、あんたと、大して変わんないわよ。


だったら、見た目が良い分、あんたみたいな地味な女より、私の方が良いに決まってるでしょ?


どうせ、僻んでるクセにさ。