ギャルとメガブス

俊くんは、私の頬を小さな手で触った。


「みいちゃん、泣かないで……。

成仏って、良いことなんでしょう?

テレビで前に言ってたよ。

成仏できない霊は、悪い霊だって。

だから、今まで僕、ずっと悪い霊だったんだ。

それが、良い霊になれるんだよ。

お願いだから、喜んで」

「だけど、曲が……私と俊くんとで、作るって約束したのに……結局まだできてないのに……」


俊くんは微笑んで、私の背後を指差した。


「あの人。

見た目は変だけど、きっと、僕の変わりに曲の続き、作ってくれるよ。

だって、あんなに太鼓、凄いんだもん。

きっと、僕と同じぐらい、音楽がスキなんだ」