マコトの言うとおりにしてみたら、何となく、医者と看護婦の私に対する対応が変わってきたような気がする。

それをマコトに言ったら、彼は得意げな表情で小汚いドレッドの髪を揺らし、

「だろ?」

と眉毛を上げた。


敵と、得体の知れない思考回路を持つ人間ばかりが蠢くこの精神病棟の中で、唯一の味方を得た私は、いつもの元気と強気を取り戻しつつあった。


それまでの、いつ病院から出れるのかも分からない、先の見えない現実に対する不安は、マコトと喋ることによって影を潜めていった。


私なら大丈夫、きっと乗り切って、ここを出てみせる。


そんな勇気と希望も沸いてきた。