メガブス……。



生温い布団の中で目覚めた私は、過去に私を縛り付けていた嫌なあだ名を思い出し、ほう、と溜息をついた。



今の私には関係ない。


もう、その呼び名で呼ばれることもない。


それなのに、今でも時折夢に見る。


クラスメイトの歪んだ笑顔と、苛められている最中の、肺や胃がきゅっと縮こまり痛みすら感じるような、あのやるせなさ。


こんな朝は、憂鬱だ。

だから、私はいつもよりも更に化粧を入念に行う。

アイラインを太く引き、付け睫の上から更に塗りたくるマスカラだって、一回分増やすのだ。