「ありがとう、だぁ?

お前、最近おかしいんじゃね?」


私は心臓が止まりそうになって、足を止めた。

コーイチは、優しさのかけらもない目をしていた。

優しさどころか、その視線に篭っているものは、軽蔑という感情でしかなかった。


「俺、もうお前と付き合うの、やめるわ」

「えっ……コーイチ……?」

「やってらんねーよ、気持ち悪ィ。

お前、精神病院に連絡しといてやるから、暫く入って来いよ。

俺は勿論、金は出さないけどよ、このままストーカーとかになられても困るし」

「ほ、本気じゃないでしょう?」


私はコーイチに縋りついた。

だが、コーイチは私の手を、汚いものに触られでもしたかのように、乱暴に払った。