ギャルとメガブス

私はぎょっとして、扉の方を振り返った。


「何やってる!?」


野太い男の声。

私は驚いて、甲高い悲鳴を上げた。


二人分の足音。

眩しいライトの光が、私の目を晦ませる。


それまでは、窓から差し込む校庭の常夜灯の光のみで、ぼんやりと照らされていた薄暗い真夜中の音楽室。

その静かで優しい空気が、無粋な強い光で一気に壊された。


相手の姿が、逆光で見えない。


「あんた、こんな夜中に、学校に入り込んで、何してるんだ!?」