「ねえねえ、俊くん。俊くんは、私と会ってる時以外の時間って、何しているの?」
音楽室に忍び込みながら、私は尋ねた。
俊くんが振り返る。
「え? ずっと、あそこの踏み切りにいるよ」
「踏み切りのところに?」
「うん。それで、眺めてる」
「何を?」
「通り過ぎる人とか、車とか」
「一日中?」
俊くんは頷く。
「飽きないの?」
「時々、知ってる人が通るよ。
知らない人も、何度も通ってれば顔を覚えるし」
「でも、相手からは見えないんでしょう?」
「たまーに、ね、見える人もいるよ。
別に、仲良くなったりしないけど。
だって皆、気持ち悪そうな顔して、足早に行っちゃう」
音楽室に忍び込みながら、私は尋ねた。
俊くんが振り返る。
「え? ずっと、あそこの踏み切りにいるよ」
「踏み切りのところに?」
「うん。それで、眺めてる」
「何を?」
「通り過ぎる人とか、車とか」
「一日中?」
俊くんは頷く。
「飽きないの?」
「時々、知ってる人が通るよ。
知らない人も、何度も通ってれば顔を覚えるし」
「でも、相手からは見えないんでしょう?」
「たまーに、ね、見える人もいるよ。
別に、仲良くなったりしないけど。
だって皆、気持ち悪そうな顔して、足早に行っちゃう」
