「監視カメラとか、ないの?」

「大丈夫、みいちゃんが通る一瞬だけ、画像を壊してるから」

「そんなことまでできるの?」


私は呆れ半分、感心半分だった。

幽霊を味方につけたら、どんなにセキュリティの厳しい建物にだって、泥棒に入れるだろう。

そう考えていたら、俊くんが振り返って私を睨んだ。


「みいちゃん、今、良くないこと考えてたでしょう」

「えっ、やだ。

何言い出すのよ」

「僕、何となく、そういうの分かるんだからね」


私は苦笑いで肩を竦めた。