ギャルとメガブス

「……」


子供のワガママ。

だけど、コーイチよりもずっと優しい。


そして、また……そんな俊くんを目の前にすると、時折不安と恐怖が消えている。

相手は幽霊なのに。

私に「呪うよ」なんて、禍々しい言葉を吐いた相手なのに。


「分かったわよ。毎日来る」


私が言うと、俊くんは飛び上がって喜んだ。


「ただし!」


私は釘を刺す。


「仕事があるから、毎日一時間だけね。

あと、スクーターで遠くから来るんだから、雨の日はお休みだよ」

「……分かった」


俊くんは少し残念そうな顔をしたが、素直に頷いた。