白い闇の中で




「……ヴゥー」


肩にのるロキが唸り、威嚇した。




「ロキ、そう威嚇しないで」


そう小声で告げた。




「……助けてくれてありがとうございました」



恐らく、この男に助けられたんだろう。


そう思いつつも、警戒しながら礼を告げた。



「……いや、礼を言われるほどではない。君、怪我は痛むか」


「怪我……大丈夫、です」



いや、本当は今も血が流れ続けていて、痛みもある。


だが、初対面の人に言ってどうなるというのだ。



「……大丈夫なわけないだろう?血が溢れているぞ。痛むんだろう?」


「……はい」



流石にここまで言われたら意地を張るわけにもいかず、頷いた。



「少し痛むかもしらんが、我慢しろ」



そう言って彼は自分の上着を脱ぎ、私の肩の傷に巻きつけた。


「痛っ……」


思わず漏れる声。


「……ひとまずこれで大丈夫だ。よし、それじゃあ行くぞ」


そう言って男の人は私を担ぎ上げた。



「きゃあっ!な、なにするの⁉︎どこへ連れてくつもり⁉︎」



まずい、この人は私の追っ手なのかもしれない。


身体中に悪寒が走った。