人よりひとまわり大きい体に、
頭に生える二本の角。
大きな口から見える、鋭い牙。
四本足で歩く足には、今にでも切り裂かれそうな爪……
……絶対絶命。
正にこの状態だ。
『ウゥー……』
そうやって唸るその魔物にはとてつもない迫力がある。
……どうしようか。
せめて、魔法さえ使えれば……
「…クロー、魔法は使っちゃダメだよ」
まるで私の考えをよんだようにロキが言う。
「…分かってるわ。そんな馬鹿な真似、しないわよ」
そう返したものの、魔法が使えないとなれば……
もう、どうしようもない。
追いつかれるのは目に見えているが、
いっそのこと逃げてみようか……。
「……ロキ、逃げ……『ギャオォォォ!』
私が言いかけたとき、魔物がとびかかってきた。

