白い闇の中で







「……美味いか?」


今、彼女は俺の隣で俺の買ったパンを頬張っている。



「ええ、とっても……美味しいわ……」




ふと彼女の顔を覗き込むと、

彼女のスカイブルーの目から溢れんばかりの涙が流れ出ていた。




「おい、お前……なぜ泣く?」


「……優しい味が……したの……」



……変な奴。

つくづくそう思った。



座り込む彼女の膝に乗っている黒猫が、

彼女を心配そうに見つめた。




「泣くな……」


俺はそう言い、彼女の涙を自分の服の袖口で拭った。