◇◆
「はあ……」
買ったパンふたつをもち、ため息をついた。
俺は、何をしているのだろうか。
思わず道端に座り込んだ。
助けたのはいいが、何も怪我を負っているからといって面倒まで見る必要はないのに。
何故か……放っておけなかったのだ。
ここらでは珍しい黒髪に加えて碧眼の少女だった。
痩せた身体は放っておけば今にも儚く崩れてしまいそうで、
気付いたら連れてきていた。
連れてきてどうなるというのだろうか。
俺は医者でもなければ傷を癒すこともできない。
連れてきたところで何もしてやれないというのに。
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