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「はあ……」



買ったパンふたつをもち、ため息をついた。


俺は、何をしているのだろうか。


思わず道端に座り込んだ。



助けたのはいいが、何も怪我を負っているからといって面倒まで見る必要はないのに。


何故か……放っておけなかったのだ。




ここらでは珍しい黒髪に加えて碧眼の少女だった。


痩せた身体は放っておけば今にも儚く崩れてしまいそうで、

気付いたら連れてきていた。



連れてきてどうなるというのだろうか。




俺は医者でもなければ傷を癒すこともできない。


連れてきたところで何もしてやれないというのに。