「誰かが歌ってた……と、思うの…。そこで」 指差す先に、 琴子も視線を向けて更に首を捻った。 「んー?でも、そこは普通科の校舎だよ?そっちの裏庭なんて、誰も近寄らないと思うけど…」 音羽はもう一度裏庭の方へ目を向けた。 人の気配は、 確かにない。 でも、 確かに聞こえた。 (凄く、綺麗な声だったな…) もっと、もっと、 聴いていたくなるような――。 それから夜になり、 ベッドに潜り込んでも、 あの歌が気になってなかなか寝付けなかった。 (どうして、頭から離れないんだろう…)