君に恋して



放課後の帰り際、

「可奈子、大樹くん、バイバイっ」


さゆちゃんが私達に声をかけてきた。

さゆちゃんも頑張るな〜。


「さゆちゃん!バイバーイ」

「おう、また明日ー」


そっか、大樹に彼女ができたら、
もうこうやって一緒に帰ったり出来なくなるんだなー。

そう思うとなんか…


「おーい、可奈子?熱でもあんの?元気なくね?」


大樹が私のおでこにポンと手をあてた。


ばっっ

私は反射的に大樹の手を振り払ってしまった。


「あっ…ごめん、なんでもない!」


「可奈子…?」


あたし、どうしたんだろ?

大樹が私の頭を触るなんていつものことじゃん。


「ごめんって!で、なんだっけ?」


「加藤と仲良くなったんだなって。」


「あ、うん!化学の時にちょっとね。」

「ふーん。」


私、何でこんなことでドキドキしてんの…?