「ふーん…ま、頑張りな。」
「え?!頑張るって、何を?!」
「さあ?自分で考えな。
俺そろそろ寝るわ〜。明日はさゆりとデートだから♡」
「あっそ…おやすみ。」
部屋に入ろうとした大樹が、何かを思い出したかのようにこっちを振り返った。
「あいつ…最近どう?」
あいつ…それは、私の父のこと…
「えっと…ここ2ヶ月ぐらい、帰ってきてない…かな。」
「そっか。なんかあったら、言えよ。
俺はさゆりの彼氏だけど、何かあったらちゃんと、お前の事も助けるから。」
「うん…ありがと。」
「んじゃ。」
と言って、大樹は部屋の中に入っていった。
単純に、まだ私の事を心配してくれてることが、嬉しかったし、心強かった。
この一軒家に、ほぼ一人暮らし状態の私には、やっぱり大樹は家族の一人みたいな、大事な存在。
でも、もう、好きじゃ…ない…。
その後、部屋に戻って大樹の言った意味を考えてみたけど、やっぱり分からなくて、
結局そのまま、ベットに入って眠りについた。