その日の夜、少し涼みたくなってベランダに出た。
すると、
「あ、大樹…」
「おお可奈子、なんか久しぶり?」
「あはっ、そうだねー」
あれ、私、普通に話せてる…
夏休みに入る前はふっきれたって言っても、まだ少しドキドキしたし、普通でいられない自分がいた。
でも今は…
好きって気づく前みたいな感覚。
「さゆちゃんとは、ちゃんと連絡とってる?淋しい思い、させてない?」
「ああ。ちゃんと毎日メールと電話、してるよ。ってお前、かーちゃんみたい!」
「はぁっ?!何それ!人がせっかく心配してあげてんのに〜。」
「はいはい。どーもな。」
もうっ!!!
昔みたいに、大樹と言い合う。