「じゃ、俺さゆりが待ってるから行く。」


「あ、うん。わかった。」


「じゃあな。」


「うん。ばいばい。」


もう、涙も止まって笑顔で送り出せた。


少し歩いて行ったら、大樹が振り返った。



「そ~いや、言い忘れてた。

遥輝、いいやつだよ?」


「え…?遥輝?」


何を言いたいのか、よく意味がわからなかったけど、「じゃーな」とだけ言って、大樹はすぐに昇降口の方に歩いて行ってしまった。


「どういうことだろ…?」