授業も始まって数日経った頃
私は休み時間にトイレに行っていた。
教室に戻ると…
えっ?!誰もいない?!!
次の授業の場所は化学室だったのだ。
「どうしようっ!
化学室の場所、分かんないしっ!」
「三科さん…?」
振り返ると、そこにはあの超絶美女が立っていた。
「三科さんだよね?
移動教室、もうみんな行っちゃったよ!
早く行こ!!」
「うん…!」
キーンコーンカーンコーン
私達は授業開始の鐘がなると同時に化学室に入った。
「はぁっ はぁっ
なんとか、まにあったね。」
息を切らしながらあの美女は微笑んだ。
やっぱり、可愛いな…
「疲れたけど、なんか楽しかったね!」
まるでイタズラが成功したかのように、その美女はニコッと笑った。
「だね!」
彼女の少し幼くて可愛らしい笑顔につられて、私まで笑顔になる。
「私、加藤さゆり!よろしく!
さゆりとか、さゆちゃんとかでいーよ!」
「私は三科可奈子!可奈子でいいよー!
よろしくね、さゆちゃん!」
なんだかさゆちゃんとは仲良くなれそうな気がした。
「さゆちゃんは、どうしたの?」
「筆箱教室に忘れちゃって。笑」
「私トイレー笑」
美人だからもっとクールな感じだと思ってたけど、すごい温かい雰囲気を持っていて、よく笑う子だった。

