息も上がってきてしまって、止まろうかと思ったら、


「可奈子!待てって!」



大樹が私を追いかけてきた。



反射的に、私の足は再び動き出す。



「おい!可奈子!!」



「もーこっちこないで!
話しかけないっつったじゃん!」


叫びながら、逃げる。


逃げるけど…


私の手は大樹に掴まれてしまった。



「まじお前足速すぎっー」



肩で息をしてる大樹…。

こ私のために走ってくれたって思うと、嬉しくなってしまう自分がいる。


でも、


「離してよっ!!」


思いっきり大樹の腕を振り切る。


「可奈子、おまえ…」


「もう、思わせぶりな事、しないでっ…」


「え…?」


「なんで追ってきたの?!

ほんと、意味わかんないよっ。


大樹はさゆちゃんが好きなんでしょ?!


だったら私なんか構わないで、

ずっとさゆちゃんのそばにいなよ!!!」