そんなことを思い始めていたある日の放課後。


「可奈子、私ずっと可奈子に聞きたいことがあったんだけど」


言いづらそうに私を見つめるさゆちゃん。


何かな?

なんか、嫌な予感がする。


「可奈子ってやっぱり大樹の事好きなの…?」


「え………」


さゆちゃんは、今にも泣きそうな顔。


私は、一人で勝手に片思いできれば、それでいいって思ってた。


でも、違ったんだ。


さゆちゃんは私のせいでこんな顔してる…


「可奈子…?」


私、親友なのに。

何してんだろ。


「好きじゃ、ない…」


嘘つくか、本当の事言うか迷ったけど、

結局私はまたさゆちゃんに嘘をついた。


「好きじゃ、ないよ。じゃあ、また明日…」


「えっ、可奈子…」


後から声がしたけど、私はさゆちゃんから逃げるように校門から出た。