そんなことを屋上で一人で考えていたらいつの間にかもう昼休みになっていた。
教室に入ると、大樹がこっちにむかって歩いてくる。
「大樹…?」
「遥輝、ちょっと話、いいか?」
「ああ、いいけど…」
何の話だか、全然見当がつかない。。
大樹と俺は,廊下に出た。
人通りの少ないところまで歩くと、
「遥輝、お前、可奈子が好きか?」
「は…?なんだよ、突然。」
「いいから、答えろ。
おまえは、可奈子が好き?」
「好きだよ…。…だったら、悪い?お前に関係ねーだろ。」
「いや、あるんだよ。
遥輝、可奈子の家のこと知ってるか?」
「母親がいなくて父親は仕事で忙しいってことは、知ってるけど…」
「可奈子の父親は、DVヤローだったんだよ…。」
「は?DV?」
「それで、可奈子が小5の時、お母さんは耐え切れなくて、自殺したんだ。」
自殺ー…?
想像もしていなかった事実に、言葉が出てこない。
「だから俺は、ずっと可奈子のそばにいた。
そいつが暴力を振るってる時期も、お母さんが死んだ時も、その後も…
可奈子が寂しくならないように、
怖がらないように。
可奈子はいつも家に帰りたくないって言うから、俺が毎日一緒に帰ってたんだ。
昔は、可奈子の家から物音が聞こえたら、すぐに駆けつける…
そんな毎日を送ってたんだ。
最近はそんなこと、なくなったけどな。」

