君に恋して


*大樹side*


『今日は、自己紹介カード書いたら下校して大丈夫です』


自己紹介カードかー、
高校でもそんなのあんだな

めんどくせーから早く書いて帰ろーっと。

って、あれ??

俺、筆記用具忘れた?!


鞄の中を必死で探しても筆箱は出てこない


やべー。どーしよ。可奈子席遠いし友達いねーし…


その時


「あの…よかっから使って?」


そう言って、俺にペンを差し出してきた彼女は、今までに見たことないくらい、綺麗な子だった。


「えっと…」


「あ、ごめん!それ、いーの?使って」


「うん!どーぞ。」


「サンキュー!助かった!俺、斉藤大樹。よろしく。」


「私は、加藤さゆり!大樹くんっ!よろしく!」


そう言ってクシャッと笑った顔はさっき受けた綺麗という印象とはまた違って、
すごく幼くて可愛い笑顔だった。


話してみると思ってたよりもずっと明るくて、美人だけど気取ってる感じは全然しない。


面白い子だと思った。


そして時より見せるあの笑顔に
俺は見入ってしまった。


*大樹side END*