夕飯も食べ終えて、部屋に一人になると
さっき軽くなったはずの心が、またざわざわし始めた。
大樹のことを考えると、やっぱり胸が苦しいよ…。
少し涼もうと思って、ベランダに出た。
すると…
「大樹…?」
隣り合っている私達の部屋。
二人の部屋のベランダはお互い話せる距離にある。
「あ、可奈子。体調、平気か?
ごめんな。ほったらかして帰って。」
ほら、まず最初に私の体調気にかけてくれて…
大樹のそういうところが好きだよ…。
「うん。大丈夫だよ。」
「帰り、どうやって帰った?
戻ろうかとも思ったんだけど…さ。」
「あ…うん。遥輝くんが送ってくれたから、大丈夫だったよ。」
分かってるよ。
さゆちゃんがいるんだから、私のところなんかに来れるはずがない。って。
「え…遥輝が?」
大樹は、不思議そうな顔をして首を傾げる。
「うん。帰りに保健室に来てくれて、送ってくれたの。」
「遥輝とそんなに仲良かったんだ…。」
「え?いや、席が、隣だから!!」
なんか私、言い訳っぽいなー
大樹に、遥輝くんとの仲を勘違いされたくないって思ってる私がいる。
もう、意味ないのに…。