「遥輝くん、何も聞かないの…?」
「もしかしたら話したくないかもって思ったのと、話したかったら、話してくれると思ったから。
聞いたほうが、良かった…?」
そっか、聞かないでいてくれたのも、私への気遣いだったんだ…
「ううん。ありがとう。」
遥輝くんには、なんとなく聞いてもらいたくて、話すことにした。
「あのね…、大樹とさゆちゃん、付き合うことになったって。」
「そっか…。」
「私…自分の気持ちも伝えられないで、
泣いてばっかで…
今の私じゃ、祝福なんて出来ない。
私ほんと情けないよね。
もっと、強くなりたい…。」
「三科は強いよ。
気持ちを言えなかったのも、大樹と加藤のことを大切に思うからだろ?
だから三科は情けなくなんかないよ。
俺のほうがよっぽど…」
「え…?」
「ううん。なんでもない。
とにかく、俺が言うから間違いない!
三科はすごいよ。」
「そうかな…ありがとう。遥輝くん。
なんか、遥輝くんと話すと心が落ち着く。」
「そう?だったら嬉しいけど。」
と言って、遥輝くんはまた目を三日月みたいにして笑った。

