君に恋して


100メートル走は、私が5位でさゆちゃんが6位。

8位まで入賞だから、なかなか良い結果だった。


そして、午後になってこの行事のメインと言っても良い、選抜リレーが始まった。


「あ、大樹…」


大樹がトラックの中でクラスのリレーに出る男子達と軽くアップをしていた。


「大樹、アンカーなんだね」


「うん…私、行ってくる!!」

「え?!」


そういってさゆちゃんは大樹がいる方へ走って行ってしまった。


「大樹くんっ!頑張って!」

「おー!加藤!ありがと。」


私もああやって声をかけられたらどんなに幸せかな…


私は「頑張って」の一言も言えない



「三科…大丈夫??」


「え…?」


振り返ると、そこには遥輝くんが私を心配そうな目で見ていた。


「なにが?大丈夫だよ?」


「全然大丈夫そうに見えないけど?

前も言ったじゃん。無理に笑わなくていいからって。」


「うん…ごめん……

遥輝くんは、全部お見通しだね。私の事」



「見てれば分かるって」



「ふふふ。でも、ありがとうね。

話しかけてくれて、ありがとう。」



「いーって。別に。」



遥輝くんはいつも絶妙なタイミングで私を助けてくれるヒーローみたい…


「あ!遥輝くんもリレー、出るよね?
頑張ってね!!!」


「うん。応援してて。」


「もちろん!!!」


「じゃあ大樹よりも俺のこと応援してくれる?」


「えっ?」


「嘘。なんでもない。じゃ、応援よろしく。」


遥輝くんは私にその言葉の意味を教えてくれずに手を上げて歩いて行ってしまった。


あれは、どういう意味だったんだろ…?