由依ちゃんが出て行って、屋上にはふたり。



「可奈子…ごめん!!!ごめんな…」




「遥輝…。」



やっぱり私がさっき拒絶したこと、気にしてる…よね?




「由依は、前に俺が話したことのある元カノ…。って、もしかして知ってた…?」



「いや、知らなかった…。」



「じゃあさっきなんで俺の手離したの?なんか、あったんじゃないの?」



なんか、って…



「遥輝が、昔女遊びが激しかったって噂、聞いて…」



「なんだよ、それは…本当だけど、もう昔の話だよ。だって俺は可奈子が好きって言ってんじゃん。」




「だって!!私付き合うのとか初めてだし、遥輝カッコイイし、モテるし…
自分が絶対遥輝にとって一番って自信なんて持てないよ…!
学校での遥輝はいつも人に囲まれてて、ほんとに私彼女でいいのかなって…
こんな不安な気持ち人気者の遥輝には分からないよ…!!!」




違う。こんな言い方したくないのに…



目にたまった涙があふれだす。