ずっと下を向いて黙っている遥輝。




「ねえ何とか言ってよ遥輝!」




少しだけ顔を上げた遥輝と、一瞬目があった気がした。



「ごめんな、由依。」



そう一言言うと、私の方に向かって遥輝が歩いてきた。



遥輝と今度はしっかり目があって、伝わってきた。



大丈夫だって。



「俺は、こいつが好きだから。」




私の肩を引き寄せてみんなに聞こえる声の大きさでしっかり言った。




「はっ、遥輝…!」



クラス中がどよめく。


「行こ。」


「おまえも。」



と、遥輝は私の手を引き、そしてその女の子も私達の後をついて教室を出た。