「あとさ、お前、気をつけろよ?
遥輝と付き合ってること、そろそろみんな勘づいてる。」


「え?」



別に隠していたわけではなかったけど、あえて誰かに言ったりはしていなかった。



夏休み前も一緒に帰ったりしてたし、話してる事も多かったからみんなそんなに気にしていない様子だった。



でも確かに、最近は手繋いだりしてるし、そろそろ気づかれてもおかしくはない。



「アイツ中学んとき正直そんなに付き合い真面目じゃなかったから可奈子も特定の彼女ではないんだろーなって、みんな思ってたのかもしんねーけど…」



ん、ん、ん?


付き合い真面目じゃない?


特定の彼女?!



「え?ちょっと待って、付き合い真面目じゃないって…?」



「え?だから来るものおばまず、さるもの追わずって感じ?」



「つまり、女遊びが激しかったってこと…?」



「まぁ、悪く言えば…って可奈子、知らなかった?!やべー。これダメなやつか…」



「いや、知らなかったけど…」



「でも、今は違うから!遥輝が浮気なんてぜってーないから!中学の時も本命いる時はそいつ一筋だったし!不安にさせたならごめん!」



と、慌てる大樹。



「ううん、それは分かってるよ。
大切にしてくれてるの、わかってる。」



でも、そんな過去があったってことを、知らなかったのが少し悲しい…。