私、馬鹿だ。

なんでこんなこと聞いたんだろ。


せっかく二人で、楽しかったのに…

さゆちゃんと大樹、両思いじゃん。


もしかしたら…とか思ってた。

期待なんて、するんじゃなかった。


このままじゃ、涙が出てきそうで…


「ごっごめん、大樹!私、今日夕飯作んないといけないから帰るね!」


と、席を立ってかばんを取った。


「は?可奈子?」


呼ばれても振り返れなかった。

もう私の目からは、涙が溢れていたから。


「可奈子!おごってくれて、サンキューな!うまかった!!」


私は、大樹に背を向けて立ったまま
小さく頷いた。


初めての恋。初めての失恋。


まだ未熟な私には、このどうしようもない気持ちをどう片付けたらいいのか分からなかった。


ダッシュでマックを出て、
ずっと走り続けた。


はぁっはぁっ

泣きながら走ったせいで息が上がって、
私は道で崩れ落ちた。


地面にポタポタと大粒の涙が落ちる。

失恋ってこんなに辛いんだ…


「三科…?」


誰かの声に顔を上げると、


「遥輝くん…?」


「どうしたの…?何かあった?」

「大丈夫、転んだだけ。」


そう言って、立ち上がったら、
足がもたついて、また倒れそうになってしまった。


そんな私の肩を遥輝くんは優しく支えてくれた。


「そんなバレバレな嘘つくなよ。
大丈夫じゃねーんだろ?」

「っ……」

「俺で良かったら、話聞くけど…?」


私は、小さく頷いて、近くの公園のベンチに二人で座った。