遥輝は10分後ぐらいに戻ってくると、あっという間にクラスの中心になってみんなとおしゃべりしていた。



「私、今まであんまり学校での遥輝って見てなかったみたい…」



「え?どういうこと?」



「こんなにクラスの中心だったなんて、知らなかった…。」



「あはは、もーどんだけ大樹一途だったのよ!笑」



「私、こんなすごい人と付き合ってるんだ…」



「しっかりしないと、狙ってる子は沢山いるんだからね。
学校始まったんだから、うかうかしてると奪われちゃうよ!」



さゆちゃんの忠告は、ありがたかった。



「うん、そうだね!」



遥輝が、学年トップ3に入るぐらい人気がある人だって、忘れてた。



「それから、逆恨みとかも気をつけるんだよ!まだみんな可奈子と遥輝くんが付き合ってるって気づいてないみたいだからいいけど。」



「逆恨み、かぁー…」



周りを見渡すと、遥輝の周りには人が沢山いて、男子からも女子からも好かれる存在だってことを改めて感じた。



中には上目遣いの女の子とかもいるし…



なんか、嫌な気分…



「今すぐあの和の中に割って入って遥輝に色気使わないでって言いたい…」



「言ってきちゃえば?もう、私が彼女ですって。」



「そんなこと、言えるわけ無いでしょ。
女子は怖いんだから。」



と、モヤモヤする気持ちを押し殺して、自分の席でホームルームが始まるのを待った。