遥輝が私に気がついてだんだん近づいてきた。
遥輝が私の前まで来ても、まだ女の人は遥輝にくっついている。
「ねぇ、一緒に遊ぼうよぉ〜」
「ごめんね。コイツ、俺の彼女だから。」
私はぐっと体を引き寄せられて、遥輝の女の人に掴まれていない方の手にすっぽりと収まった。
ドキドキドキドキ
鼓動が早くなるのを感じる。
「遥輝っ…」
「だから、離してくれるかな?この手」
遥輝は、普段とは違う少し低い声を出して女の人を冷たく突き放した。
「ごっごめんなさい…」
女の人は手を離して向こうに走って行ってしまった。
「…ごめん、可奈子…」
申し訳なさそうに謝ると、すっと私を包んでいた手を解いた。