遥輝は、私の肩を少し押して、顔が見えるくらいまで離れた。


こんな少しの距離も、今は寂しいと思ってしまう…。


どうしたんだろう?と思って見上げると、そこには今までに見たことのないくらいに優しい顔をした、遥輝…





「俺の彼女に、なってくれますか…?」




遥輝から、こんなに嬉しい一言が聞けるなんて、私は幸せ者だ。





「はいっ!!!」




最大級の笑顔でそう答えると、遥輝の顔がゆっくり近づいてきて、耳元で囁くと、私に優しいキスをした。







「可奈子、好きだよ…」






それから遥輝は面会時間が過ぎてもずっと手を繋いで私の隣にいてくれた。


でもさすがにナースさんに少し怒られちゃたから、また明日も来るって言って帰って行った。