「まず…俺、可奈子の家のこと甘く考えてた。それでこないだ、仲直りなんて甘ったるいこと言って、本当にごめん。
今日の事で、今まで可奈子がどれだけ辛い思いとか、寂しい思いしてきたのか…
痛いほど分かった…。
同時に、可奈子にとっての大樹の存在のデカさも、よく分かった。」
「遥輝、そんな…」
「でも俺、ちゃんと可奈子を支えるから、
俺が、大樹みたいな存在になるから。
俺、可奈子の父親に
「大切にできないなら、可奈子のこともらう」
って言ったけど、あれ、本気だよ。
可奈子は俺のこと、どう思ってるか分からないけど、少なくとも、俺はそう思ってるから。
俺、可奈子の事好きだよ…。
まだ俺の事好きじゃなくてもいい。
俺と、付き合ってほしい。」
外の雨がやんで、雲の間から夕焼けのオレンジが広がる。
私が遥輝とデートした日みたいに、遥輝の顔が夕日に染められて、思わず見惚れてしまう。