可奈子の家の玄関の前まで来た。




「可奈子?!可奈子?!!」



扉を叩きながら大声で叫ぶも、返事が無い。



その時、中から何か物が割れる音と可奈子の悲鳴が聞こえた。



これは、尋常な事態ではないと判断した俺は、勝手に玄関の扉を開けて可奈子の家に飛び込んだ。




「可奈子!大丈夫か?!!」



可奈子は、玄関から続く廊下に壁に背をつけて座り込んでいる。



周りには、ガラスの破片がたくさん。



そして可奈子の前には、スーツを着たびしょ濡れの男が立っていた。



こいつ、可奈子の父親か…?



また、可奈子に暴力を…?!



俺は、可奈子の方に駆け寄ってスーツの男の前に立ちはばかった。



「はるっ…き…」



可奈子の小さな声が、後ろから聞こえる。