それから私と遥輝くんは他愛のない話もするようになった。
席が楽しいっていうだけで、学校って、こんなに楽しくなるんだな。
「ねーあのさ、前から気になってたんだけど三科ってさ、大樹と付き合ってんの?」
「えっ?なっないよ!よく言われるんだけど…そう見える…?」
前にさゆちゃんにも聞かれたな…
「そうとしか見えない笑
じゃー付き合ってないってことは、片思い中ってことか。」
ん?片思い?
「片思いって…?私が大樹に?」
「え、自覚ないの?」
「自覚も何も…どうしてそう思うの?」
「見てれば分かるって」
と言って遥輝くんは軽く笑った。
そうなの…?
私、大樹のこと、好きなの…?
「じゃーさ、あれ見てなんにも思わない?」
彼が見た方には、大樹とさゆちゃんが楽しそうに笑い合っていた。
ズキン…
「何も思わないなら違うんじゃない?
俺の思い違いだったら、ごめんね。じゃ。」
そう言って、遥輝くんはチャイムと同時に教室を出て行ってしまった。
二人を見てると、胸が、ぎゅーーって締め付けられるのを感じた。
今の遥輝くんの一言で分かった。
私は大樹が好きなんだ。