私も過去を思い出して感情的になってしまう。
「…何しに来たのっ?!用がないならあの愛人の家に帰りなよっ…!!」
父には10歳弱年下の愛人がいることを私は知っていた。
父が、その人の家に住んでいることも。
しかし、私がその一言を言った瞬間、父の顔色が変わった。
「…お前のせいだ…」
「えっ…?」
「お前のせいで、俺はあいつと別れたんだっ!!!!」
ガッシャーーーンッ
父は叫ぶと同時に棚の上に置いてあった花瓶を壁に打ち付けた。
過去に記憶が蘇る。
心も体もボロボロになっていた日々。
殴られて、蹴られて、泣いても叫んでも、誰も助けは来てくれなかった。