「入学式の時のお詫び。」
「え…?」
「あの時、ちゃんと謝れなかったから。」
と彼は少しはにかんで言った。
私はこの時、初めてちゃんと遥輝くんの顔を見た。
黒目が大きくて、切れ長の目。
鼻筋は綺麗に通ってて…
今まで気が付かなかったけど、遥輝くんは、俗に言うイケメンだと思った。
「おっ覚えてたの?!
てゆーか、すごい怖い顔してたから…
私ずっと遥輝くんのこと、怖い人だと思ってた。」
「怖い?よく言われるんだよなー俺。
あの時コンタクトし忘れてさ、よく見えてなかったから、睨んでるように見えたのかも。」
「そうだったんだ!
あたし1ヶ月間も勘違いしてたよ!」
「うん。誤解とけてよかった。」
そう言って、彼は優しく微笑んだ。
「これからよろしくね!遥輝くん!」
「ああ。よろしく。」
遥輝くんは、思ってたよりもずっといい人だった。
やっぱ見かけで判断しちゃダメだね。
あともうひとつ、今日わかったこと。
遥輝くんは笑うと目が三日月みたいになって可愛い。