数日後…
長い長い夏休みも終わってしまい、久々の登校となった。
校長の話を聞き終わり、さっさと帰る支度をする生徒。
この辺りの小学校、中学校、高校は午前中で終わる。
皆カバンを持ってきていたけど、私は手ぶら。
特に持ってくるものもなかったし、シャーペンは制服にいつも常備してる。
「彩子ー、帰ろ」
彩子がカバンを肩にかけていたので声をかけると、難しい顔をした。
「ごめんっ、今日寄るとこあるから!」
「チッ、彼氏か」
「ごめんー!」
じゃあ、と小走りに走って行った。
寄り戻した奴らは、今まで以上にラブラブだよね。
昨日も最後の夏休みだってのに中岡くんと水族館なんて行っちゃってさ。
しゃーない、1人で帰るか。
そう思って教室から出ようとすると、後ろから呼び止められた。
「麻里絵」
「うん……?あ、洋二」
振り向くと洋二がいた。
洋二とは、中岡くん経由で知り合った友達で彼女もちのリア充。
「どうした」
「今日理沙が友達と帰るからって、俺ぼっちなわけ」
「ふーん」
「一緒に帰ろうぜ」
彼女怒るんじゃない?
けどまあ、私もさすがに1人で帰るの寂しいし家も確か途中まで一緒だったし、いいか。
「いいよ、帰ろう」
「おっし」
肩を並べて教室を出た。