「まあ、夏休みも終わるし俊也と会う機会も減るよな」
「うん……。俊也くん部活もあるし、彩子の家行ってもいないもん」
私たちが、通っている高校と俊也くんが通っている中学は近く、帰り道に中学生をよく見かける。
いないはずの俊也くんをそのなかから探してみたり。
「告白すんの?」
「してOKもらえると思う?」
「……さあ」
「もっと前に告白すればよかった」
後悔先に立たずって、このことだよね。
もう少し前に告白してたら違ったかもしれないのに。
まだフラれるって100%決まったわけじゃないけど。
私に飛び付いてくることも、一緒に隣歩いてくれることも、ないかもしれない。
私にだけかと思ってたそれは、他の女の子にへと変わったかもしれない。
「…………俺は告白すればいいと思うけどな」
と、そこまで言って中岡くんの携帯が鳴り、受信したメールを確認するためポッケから取り出していた。
そしてなにを思ったか、ブランコから降りて私の目の前に立った中岡くん。
自身の経験から、諦めないことが大事と決めているようだった。
「じゃ、俺帰るな」
「女の子ほったらかして帰るなんて」
「う、うっせ!」
じゃあな!と走って行った中岡くんと取り残された私。
彩子に呼び出されたのか。リア充め。