「ほら、さっさとどっか行きなさいよ」
「ちぇー。あ、麻里絵さん帰るときになったら言ってね!送るから」
ニコリと笑いながら部屋を出た俊也くん。
「全く、あのガキ」
「いいじゃない、可愛いくて」
「どこがよ……」
俊也くんの情報源は彩子だ。
親友を利用するって言い方もどうかと思うけど、私が直接俊也くんにあれこれ聞くのもねえ。
あの俊也くんだから、「えっ、麻里絵さん俺のこと」とか言い出すかもしれない。
そうなると彩子にも薄々感ずかれたり。
「俊也くん、最近どう?」
「どうって……特になにも」
髪をポニーテールに結び直しながら答える彩子に、気づかれないかなと冷や汗かく。



